日本を紳士の国に変える 第百幕
私の部屋には二つの花瓶がある。
その花瓶には当たり前だが花が生けてある。
しかし生きている花ではない。造花だ。
100円ショップで購入した。
100円とは思えないクオリティを発揮して部屋を華やかにしている。
枯れないし、葉も落ちないし、水もいらない。
控えめに言って最高だと思う。
だが、始めから造花だったわけではない。
最初は生花を生けていた。
先ほど言った理由で造花に変えたのだ。
最近、人間は強欲だと思う。
造花には満足しすぎていたのだが、
何日経っても姿の変わらない造花を見ていると
何だか魅力を感じないのだ。
若々しく青々と咲いている花は散るからこそ美しいと思うのだ。
もっと言えば、散って欲しい。枯れて欲しい。水を差し替えたい。
人間は強欲だ。