日本を紳士の国に変える 第118幕
そこの家の人は快く僕を招き入れた。
僕に若いのに凄いねと言った。
僕には何のことか分からなかったけど、嫌な感じはしなかった。
むしろ優越感を感じたほどだ。
その人は僕に牛乳とパンをくれると、
頑張ってとだけ言って家の外に出てまた歩き始めた。
その後ろ姿は孤独に見えた。
僕は乾いていた喉を潤して、空いていたお腹を満たした。
僕もまた歩き始めた。
その頃には三人の声が聞こえてこなくなっていた。
僕よりも先に行ったのか。
それとも僕の方が先にいるのか。
どっちの道も何に繋がっているのだろう。
何に向かって歩いているのだろう。