日本を紳士の国に変える 第111幕
将来を考えると不安になる。
彼女もいないし、結婚もできるか分からない。
友達は彼女もいて趣味もあって充実しているように感じる。
自分だけパッとしない人生を生きているなと思う。
漠然と”変えたい”と願うけど、
何を変えたらいいのかが分からない。
そんなことを考えながら歩く仕事帰り。
気付けば赤く染まった空に、大きな幸せを逃していた。
マンションの集合ポストに、たんまりとチラシが入っていた。
チラシを手にとって、階段を一段一段のしのしと上がった。
スーツを脱ぐよりも先にビールの栓を開けた。
ソファーに座って、さっき取ってきたチラシに目をやる。
建て売りや携帯や塾のチラシの中に一つだけ目を引くものがあった。
”自信を買いませんか?”とあった。
何の宣伝だろう。
チラシには何も情報が書いてなかった。
チラシにあったのは会社名とあの文言だけ。
何か怪しいなと思いながら携帯を手にとって会社名で検索した。
”ARMORs 大分”