日本を紳士の国に変える 第122幕
店内に落ち着いたBGMが流れている。
大きな雨粒が窓ガラスをびっしょりと濡らしている。
今日は今年一番の大雨だ。
どこかの地域では河川の氾濫による被害もあった。
畑を確認に行った、どこかのお年寄りの行方が分からなくなっているらしい。
人間の想像力の乏しさに呆れる。
こんなにも興味を持てないなんて。
朝の電車の遅延もそうだ。
人身事故の為。
電車の遅延にイラついている自分がいる。
どこかの誰かの大切な人なのに。
「雨、ひどいですね。」店長だろう。
「もう、土砂降りで。」肩を落として笑う。
「よくこんな日に来ましたね。こんな日だから。ですかね。」