日本を紳士の国に変える 第九十六幕
「さっきお客さんが仰った事も間違いではありませんが、僕は違うと思うんです。ARMORsのスーツは自分の中から自信を漲らせるものだと思います。ですから、スーツ自体がカッコ良くても本質的なところが変わらないとダメだと思うんです。だから、ARMORsのスーツは値段が決まっていなくてお客様が価格を決めるんだと思います。すみません、長々と。」
「若いのにしっかりされていますね。」頭を掻きながら苦笑した。
「いえ、恩師ならこう答えると思うんです。」
「人生上手くいかないと、過去ばっかり振り返って足下しか見えなくなるんですよね。。
よし!!今までで一番良いスーツを作ってもらおう!!16万円でお願いできるかな?!」
「かしこまりました!!!一緒に良いスーツを作りましょう!!!」
高価なスーツはそれはかっこいいし、周りとの優越感に浸れるだろう。
だけど野田の意思は違う。
本当に自分の人生と向き合った人にスーツを提供したい。
また、向き合う為にスーツを提供してきたんだと思う。
僕はその意思を継いでARMORsを存続させたい。