日本を紳士の国に変える 第307幕
オーダースーツ ARMORs株式会社
私のやっている仕事はかなり難易度の高い仕事だと思う。
その理由を説明する。
サヴィルロウ。スーツの聖地がある。
そこで仕立てられるスーツは80万円〜といった破格だ。
しかしサヴィルロウでスーツを購入する人は順番待ちができるほどだ。
お金ではないものを買っているのだろう。
ステータスであったり。
話は逸れたが、その80万円のスーツを作る職人はスーツ完成までに合計4回試着を重ねる。場合によっては更に試作品をお客様に着てもらう。そうやって半年、一年とかけてスーツを作成する。
ここで私の仕事とサヴィルロウの仕事を比べてみよう。大きく違うことが大まかに二点ある。
一点目 価格
二点目 試着回数
価格は雲泥の差だ。
私は10万円が一番の高級ラインだ。
サヴィルロウは80万円が最低ライン。更に上がある。
しかし私が注目したいのは価格ではない。
試着回数だ。
サヴィルロウの世界に名を馳せる様な職人でさえ最低4回の試着だ。
いやいや。私たちフィッターは試着は基本的に0回だ。
例外として仮縫いがある場合は1回。
基本的には出来上がったスーツを渡しておしまい。
サヴィルロウの職人には合わせる顔がない。
しかし今の日本の現状はパターンオーダーである。
これでいいのだろうか。