日本を紳士の国に変える 第四幕

 私がスーツに思う可能性を理解していただけただろうか。私が最初に着たスーツはオーダーメイドでは無かったが、着た時のインパクトは今だに覚えている。

 しかし近年、日本ではスーツ離れが加速している。これは日本だけではないかもしれない、世界中で傾向は強まっていると感じる。さらに新型コロナウイルスが猛威を振るい、在宅ワークやオンライン会議が新たな常識になり、スーツ離れはより速度を上げると考えられる。

 スーツにはデメリットがあり、それを完全に無視する事はできない。スーツ離れが加速している理由にデメリットが関係している事は言うまでもない。これらを克服する事がスーツ離れを阻止する、第一歩となるはずだ。前置きが長くなったが短編物語をスタートする。

 

 スーツに身を包んだ私はカフェの窓際の席に座っている。ブレンドコーヒーを片手に外を眺め、桜の木が緑の葉を重たそうに抱えている姿を見て季節の移ろいを実感する。外は茹だる様に暑い。紳士でも暑いのは変わらない。上品に暑がるのだ。日本のスーツ離れが進む理由がこの季節になると理解できる。

 

 デメリットを克服し、スーツを着る人を増やし、スーツがもたらす効果で日本をより良い国にしたいと心から思っている。