日本を紳士の国に変える 第163幕

うだる様に暑い。

 

僕は寝転んでいる。

 

御座敷の畳の上で天井を見上げて。

 

足を伸ばして扇風機の風量を弱から強に変えた。

 

外ではクマゼミがどぶとい声で鳴いている。

 

錆びたブレーキの音が響いた。

 

”やっと来たか”

 

僕は扇風機を叩くように切って、

 

ぞうりを走りながら履いて灼熱の外に飛び出す。

 

外には真っ黒に焦げた三人。

 

体に見合わない自転車にまたがって、スタンドを立てた状態でペダルを漕いでいる。

 

暑さを忘れ、ギラギラと光る太陽と不気味なほど大きな入道雲の下で何して遊ぶか決める。