日本を紳士の国に変える 第156幕

夏の夕暮れ。

 

蝉も鳴くのを止めている。

 

公園から一人歩いて帰る。

 

濃い緑の葉を纏った桜の木に、鳴くのを止めた油蝉。

 

真っ赤な太陽が空をオレンジ色に変えていた。

 

昼間に吹いてくれたらいいのに、今頃になって吹く風。

 

明日、俊介に謝ろう。

 

真っ赤な太陽が背中を焼く。

 

帰り道に細長い影が先を行く。